極端にピーキーな感情の昂ぶり。
いまだに母親の死にまつわる後悔や、兄夫婦への怒りや、まだ両親と一つ屋根の下に
暮らしていた頃のことを思い出すたび、一気に涙がこみ上げてくるほどに感情が昂ぶる。
これはおそらくは、60半ばでアルツハイマーになった父親が、自分の母親、
つまり俺の祖母が亡くなって以降に起こしていた症状と同じだと思う。
この、後悔しても仕切れない得もいわれぬ辛さよ。
そりゃ、この辛さとは一生付き合って行くしかない事は分かっている。
ただどうか、アルツハイマーにだけはなりませんように。
いざとなったら自分の意思で、自分の足で、どこぞの駅のホームや、
どこぞの踏切の前まで行かなくてはならないのだから。
あの「世の中カネ」が口癖のキチガイ夫婦に、
「あなた方がおっしゃる通り、確かにこの世の中はカネでしたね」
ってことを思い知らせてやるためにも。