母親の感じていた孤独、不安を想像しただけで気が狂いそうになる。
足も悪く、耳も遠い。
話し相手はアルツハイマーの夫。
長男は一ヶ月に一回くらいしか食料を置きに行かない。
次男は無関心。(俺的には言い分が山ほどあるし、母親もある程度は理解していたと思うけど、結局は無関心な息子としか認識されてなかっただろう残念ながら)
そして件の兄の冷遇だ。
亡くなる前年の11月までは介護(!)の仕事に行ってたけど、そこを実質クビになってから一年間は、人との交流もほとんど皆無に等しかったことだろう。
いつも会社の車に迎えに来てもらっていたらしいが、どのような流れで解雇されたかは想像の域を出ないけど、なんと解雇されてからもしばらくは朝おもてに出て、勤め先であったデイケアサービスの送迎を待っていたと言う。
それは仕事が好きだったせいもあるだろうが、いよいよ兄夫婦に殺される時が近付くことへの恐れからでもあったろう。
兄との一ヶ月に一度の接触、ごく稀だった俺との電話での会話。
特に亡くなるまでの一年、それ以外は常に孤独であっただろう母を想像してまた自己嫌悪に陥った。
涙がとめどなく溢れて来て泣きじゃくった。
今後もそれを思い出すたび母親に大声で許しを乞いながら泣きじゃくるのであろう。
苔の後思案、ここに極まれりである。