母親の生きざま。
母親は幸せを感じていただろうか。
心安らぐことがあったのだろうか。
物心ついた時から忙しなく働いていたイメージしかない。
親父が趣味に没頭するタイプで低所得。
自営業を廃業して以来、無職期間が長かった印象。
そんな中でもオフクロは常に働いていた。
朝から晩まで。
行商的なことや化粧品の営業、スーパーの店頭販売。
夕食が遅いと食べ盛りだった中高生時分のバカ兄弟は母親に苛立ちを隠さずキレていた。
できる子供なら自分で作ってるはずだし、そもそも親父がなんとかするべきなのに、
皆で母親ばかり責めていたように思う。
親父は親父なりに兄は兄なりに俺は俺なりに母親に対峙する際の態度ってあったと思うけど、それぞれを母はどのように感じていたか。
俺が一方的に、母の生前も母亡き後のこの感情の通りに母を慕っていたとしても、ここ数年会いにいかなかったわけだし、電話も滅多にしなかったのだから伝わっているわけがない。ただ、たまの電話での会話のたびに「俺はほんとは兄から親父とオフクロを取り返して面倒見てやりたい気持ちはあるんだ」とは必ず伝えていた。本心だったし。
対して兄に対して母は、共依存関係というか、兄夫婦が圧倒的に隷従させていたような関係性だった様に思う。先日ここで話した毎回一万円懇願される件で兄夫婦に食ってかかった際にはっきりとわかった。年金から何から全部兄嫁管理。
たとえば311震災の時など、父親が住んでいた貸家が津波被害に遭って保証金が何百万か支払われたらしいが、ほとんど兄の借金を返して無くなったという。
そこまでされても兄夫婦に依存せざるを得ない父と母の姿を見ればそりゃ諦めるしかないでしょう。中途半端に関わるのも難しいんです。様子を見に行くたび金をせがまれるんだから。更に言えば父と母を物心両面で隷従させたがる「兄嫁の心の闇」が不気味過ぎて仕方なかった。
親父はアルツハイマーゆえどのくらいの苦痛を感じてるのかあるいは感じてないのか。
そして母親は、そんな中でも幸せを感じていただろうか...。